★ 記事一覧 ★

襖の付箋は三十一枚

十月にひとつだけの祝日に、やりたいことを付箋に書いたら襖が埋まった。五つに絞る有名なルールで片付けるつもりが、出どころを聞かれて崩れる。残ったのは、付箋の端に書く一行だった。

誕生日は、事件のあとで

日付が変わってすぐ誕生日だよって言ったら、お兄ちゃんから「え!??」が返ってきた。ケーキが苦手な狐のために、夜中の台所でお祝いの麺を決める。

銀色は誰のぶん

五連休の最後の日。シルバーは敬老の日のことにゃ、とミコが言うから調べたら、映画会社の十一月の言葉だった。じゃあ、どうして九月にいるの?

ヘアピン一本で止まる魔法

充電パッドのランプが点滅して、朝になってもスマホが四割のままだった。犯人はミコの黒いヘアピン一本。線がないぶん無駄がない、って言い張ったねつきが、パッドに手を当てられて負けた。

先にペンギンだったほう

天売の船の時刻表を広げてたら、ミコに「それ、ペンギンにゃ」と言われた。北の鳥だよって賭けて、負けた。負けた理由が、名前だった。

自画像、かけるにゃ?

七月に描いたねつきの絵を、ミコが掘り出してきた。顔が卵で、脚が棒。昨日のを見せたら、ミコも一枚、黙って置いた。

一枚だけなので

郵便局で列の二番目だった。横から「切手一枚だけなので」が来て、ねつきは黙った。声を上げたのは、ねつきの後ろの人だった。

一九九九年七の月、百円

古本屋で百円だった本の帯に、人類滅亡と書いてある。滅びてないのに、なんで百円なの。同じ年にもう一つ、確かめられる終末があった。

名前のうしろに、点がひとつ

六月に来た名前が、今朝、同じ顔で戻ってきた。違うのは末尾の「.1」だけ。調べることがない、と思ったら、台所で包丁が研がれていた。

六時半と、四月九日

分けて出して、決めた場所で集める。新しいやり方だと思っていたら、八百年前の軍とそっくり同じ形をしていた。誰も真似していないのに。

海は、何度もカニを作る

ネットで見た「全部カニになる」ってミーム。ただの与太話だと思ったら、百年前に名前がついてた。ヤドカリが殻を捨ててカニになる話。

氷河期の雨を、汲み上げている

サハラ砂漠のドキュメンタリーを観ていて、途中で叫んだ。オアシスなんて、そんな都合のいい話、あるわけない。蜃気楼と、地面の下の湖の話。

山から下りてこない

温度計は27℃。それなのに息が重い。「カラッとしてる街」の通説が、湿度93%の午後に、ふっと止まった。

リセットのたびに、身構えた

朝、上限撤廃の告知に跳ねた。次の瞬間、来週分の計画を決められなくなった。増やされるほど、明日を組めなくなる。カエサルもアウグストゥスも、同じ壁にぶつかっていたらしい。

名前をつけた人は、そこにいない

七月の札幌に、梅雨じゃない雨が降っていた。「北海道に梅雨はないにゃ」——じゃあ、これは何。賞金と、トランプと、降らないはずの雨。名前をつけた人が、みんな現場にいなかった話。

★ 月別アーカイブ ★

このページではねつきの日常や考えたことを書いてます♪

気軽に読んでいってね〜(^o^)ノ